A little bit of everything

元・情報系大学院生の備忘録

読書メモ:数値化の鬼

メモ

「数字がすべてではない」≠「数字は無視して良い」
いかなる時も「一旦数字で考える」という癖をつけよう。 「今月は営業訪問をすごくがんばりました」のように、数値化ではなく「言葉による言い逃れ」がクセになってしまったプレイヤーは、そこで成長が止まる。

数値化の鬼になる5ステップ

  • ステップ1:「行動量」を増やす。自分の行動の数を正確に数える。
  • ステップ2:「確率」の罠に気をつける。割り算による安心感の罠に気をつけること。
  • ステップ3:「変数」を見つける。仕事の中で何に集中するかを考えること。
  • ステップ4:「真の変数」に絞る。無駄な変数を削り、さらに重要な変数に絞り込むこと。
  • ステップ5:「長い期間」から逆算する。短期的長期的、2つの軸で物事を見ること。


1.「行動量」を増やす。

まずはPDCAの"D"を増やせ!
ホームランを打つには、誰よりも多くバットを振る回数を増やすしかない。ホームランを打てば、その日の三振のことは観客の誰もが忘れるように、大きな成功を生み出すと、それまでの失敗は何も覚えていないもの。だから、まずは誰よりも一生こなすこと!


しかし、Dの中身が漠然としたままだと、行動量は減っていく。
-> それを避けるためにKPIを設定せよ!
KPIを設定するポイント

  • 数値化されていること。
  • 自分でコントロールできること。
  • 日々の行動に迷いがないレベルにまで分解できていること。


あなたは会社から与えられた評価項目を瞬時に思い出せるか?
「目標を覚えていないのに日々の仕事をしている」という状態は、地図を持たずに目的地に向かってウロウロしているようなもの。

2.「確率」の罠に気をつける。

確率の罠に引っかからないように目標設定しよう。
例えば「契約率50%」が目標の場合、10件中5件の契約が取れたとしたら目標は達成する。
しかし、次の11件目にチャレンジしなくなってしまう。これは避けないといけない。
"%" を見るときは「この "%" は何分の何ですか?」と確認をしよう。"%" は印象を操作したときによく使われる。

3. 「変数」を見つける。

すべての物事は一旦数字に置き換えられる。
しかし、その中でも「考えるべきこと」と「考えても無駄なこと」に分かれる。
それを見分けるために必要な概念が「変数」。


多くのビジネスパーソンは、次の2つのパターンで苦しんでいる。

  • 「変えられないこと」を変えようとする人。
  • 「変えられること」を変えられないと思い込んでいる人。

変数を見つけるには?

自分の仕事を時系列で整理すべし。
例えば「自社開発のシステムを商品に、法人営業で契約を取る」という業務の場合。
PDCAのPは「月3件の契約を取ること」、Dは「1日4件のアポを入れること」だとする。

さらに1つの業務を時系列に分けると次のようになる。

  1. 最初のアポを入れる
  2. お試し期間としてシステムを試してもらう
  3. 契約の申し込みを獲得する

このように1つの契約を取るまでの工程を3つに分ける。
行動量を増やすためには、最初の工程を増やすこと。つまり、とにかくたくさんのアポを入れる事に集中する。

さらに、それぞれの工程での問題点を整理する。例えばアポが2倍に増えたのに、契約件数が2倍になっていない場合。
それぞれの数字を数えると、 以前はアポ60件、お試し6件、契約1件だったが、行動量を優先した結果、アポ120件、お試し12件、契約1件となったとする。
アポが2倍になったおかげで、12件のお試しの導入にまでこぎつけている。しかし最終的な申し込みまでは1件しか進んでいない。

ここで、どのように顧客に契約をプッシュすれば良いのか、そこに変数が隠れていそうだと気づく。 例えば、試用期間中の連絡やフォローの「回数」を増やすと、契約件数が1件から2件、3件と増えたとする。
ここで初めて、連絡やフォローの「回数」が「変数」であったことに気づける。

4.「真の変数」に絞る。

変数を考えるときに、最も気をつけないといけないのは「変数は放っておくと増える」ということ。
KPIが多すぎたり、仕事の変数が多かったりすると、余計なことを考える時間が増えてしまう。そこで「変数を捨てる」という考えが必要。


目標に最も貢献する行動を「KPI」とする。
忘れてはいけないのは、変数を見つけ出す過程で、最終的には「1つに絞ること」が重要であり、全てを数字で管理して、すべての数字のことを考えるのは非効率。

まずは真の変数を1つ設定し、それに対する行動量を最大限に増やしていく。
その変数が正しいかどうかは、後でPDCAの"C"や "A"のタイミングで考えよう。


頑張っているのに目標の数字に反映されないのであれば、それは変数が「定数」になったと捉えるべき。
変数だと信じているものや、過去には目標に寄与していたKPIも、時間が経って環境が変われば、通用しなくなることがある。

5. 「長い期間」から逆算する。

成功を収る人に共通しているのが、「長期的に見て未来のトクを選ぶ」という視点。
短期的には損することに思えても、長期的な視点を持つとその損は利益に反転する。


時間を味方につけよう。
プレイヤーが時間を味方につけるためには、順番が大事。
* ①まずは短期的に見る。 - 行動量が増えているか、1日にやるべきことができているか、日々の売り上げや数字の変化を見ているか。それを数値化して把握する。 * ②次に長期的に見る。 - 半年や1年後に果たしているべき目標は何か。あるいは、5年後や10年後に自分はどうなっているべきか。 * ③そして最後には必ず長期的な視点から「逆算」をする。 - 長期的な姿と、今日のKPIはつながっているべきである。

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